脉診流経絡治療とは
東洋医学では、経絡という全身を巡っている気の通り道があると考えられています。病をその経絡の気血の変動としてとらえ、体全体を観察し、鍼灸によって気血の調整を図り、生命力を強化させていく随証療法です。
「望・聞・問・切」(四診法)=視て、聴いて(嗅いで)、問いかけ、触れて(お腹や腕、足、手首の脈などを軽く触れて)患者様に適した経穴(ツボ)を選択(証を決め)して、ごく軽く接触もしくは1〜2ミリ程度の鍼を致します。患者様によっては刺さない鍼(てい鍼)を使用することもあります。
お灸にも、もぐさを捻って肌に直接のせて据えるものから、棒状のお灸をかざすように使用するものもあります。火傷のような跡は残りません。
患者様の脉状に応じた鍼や手法を選択して治療にあたります。
鍼もお灸も、痛くない、熱くなく、鍼灸が初めての方や鍼が怖いという方にも安心して受けて頂くことができます。
その人の本来持つ生命力、自己治癒力を強化して病気に負けない体づくりをしていきます。
他の鍼灸との違い
体の不調に対して筋肉に刺激を与えて回復をはかったり、症状に対して効くツボに鍼をしたりするのが西洋医学的な鍼灸です。病の原因を取り除くのではなく、現れた症状を一時的に和らげたり、なくしたりする療法です。
一方で、東洋医学的な考えの鍼灸では「望・聞・問・切」(四診法)を用い、患者様の脈状から⼀⼈ひとりの病の原因を探り、その原因となる要素(気の流れ)にアプローチすることで症状の改善を目指します。不調のある場所だけではなく、全身を観察し、全身の気の調整を図り自己治癒力を上げていく鍼灸術です。
アニスはりきゅう院では、一鍼(ひとはり)一鍼ごとに、脈やお腹の状態を確認しながら次に進みます。使用するツボも確認しながら決めていきます。継続的に続けることで、変化を感じる体になっていくことでしょう。
鍼灸の適応症
WHO(世界保健機構)で掲げている鍼灸の適応疾患は、49疾患あります。
鍼灸は数千年の歴史があり、江戸時代や明治の初めにかけては、日本の医学の主流は鍼灸や漢方にありました。
現在では、海外でも鍼灸が盛んになってきています。
当院の鍼灸師が所属する東洋はり医学会でも日本全国をはじめ、
アメリカやイギリス、ヨーロッパ、オーストラリアなどに支部があり多くの鍼灸師の方が日々研鑽しています。